先日もTwitterをつらつらと眺めておりましたら立て続けに二つのTweetが。
池谷裕二 (@yuji_ikegaya) 01/28 12:14:35
歳をとると睡眠が短くなるのはホントです。今朝の『ネイチャー神経科学』誌より→ http://t.co/t0kDHeD7 とくにノンレム睡眠が減ってしまうので、海馬が活性化しっぱなしになり、その結果、記憶力にも悪影響がでます
なおリンク先の記事はAbstractであっても何が書いてあるかさっぱりわからん。
そしてもう一つ。
Shane Parrish (@farnamstreet) 01/28 02:37:43
Great performers typically sleep significantly more than the rest of us. http://t.co/MBd68xvy
上手いバイオリニストは8時間しっかり寝てることに加え、昼寝もすると。
特にトップバイオリニストは一に練習、二に睡眠とまで言うそうな。
リンク先からさらにリンクされているHBRのブログでは、睡眠不足は一般的におまえらが思うよりもパフォーマンスに影響するのだと言うことがつらつらと書かれている。
そして、望ましい睡眠時間は7~8時間程度であろうとのこと。これは平均睡眠時間が7時間という研究結果とも齟齬はなさそう。(ただし記事を書いた人は8~9時間との意見)
ただ。
俺が思うには、「じゃあたくさん寝ようぜ」ってのは早計じゃないかと思うのだ。
そもそも上記の記事のうち、少なくとも後者はバイオリンの技巧と睡眠時間には相関があるということしか伝えていない。
(Natureの論文にはそのへんキッチリ書いてあるのかもしれないが理解できん)
まったくの推測だが、これはむしろ「バイオリンをひたすら練習したからよく眠れる」という因果関係を示すものじゃないかと思うんだな。
時間の分子生物学 (講談社現代新書)
という、タイトルからはちょっと推測できない睡眠に関する面白い本がある。
こちらによれば、眠りというのは、疲れることで受動的に引き起こされる生理現象だと言う。
つまり、上手なバイオリニストは、毎日毎日ハードな練習をしており、そのためによく眠れるということじゃあないだろうか。
じゃあ年寄りの睡眠が短いのは?
もちろん加齢による脳組織の萎縮もあろうが、経験が蓄積されているせいで反射だけで過ごす時間が多くなり、脳に十分な負荷を与えていないせいじゃないだろうか?
非日常や不確実性を嫌い、ルーチンばかりの毎日を送りがちなせいじゃないだろうか?
といったような事を考えたのであった。
しょせん根拠もない世迷いごとなんだけれども、年取っても驚き泣き笑い怒り、もしそれで夜はよく寝れるなら、それはそれでいいじゃないか。
海馬も休まるしな。