冬になり、空気が乾燥して澄み渡ると、油彩絵の具をたっぷりつけた筆で、さっと刷いたような雲が空に浮かぶようになる。



朝など、電車に乗り遅れまいと焦って駆けていても、心洗われる気持ちになって、思わず写真を撮るのだが、筆致もあらわな印象派の絵のような空は、携帯電話のしょっぱいカメラでは全く表現できないのだった。ガクリ。