Louis SacharのThere's a Boy in the girls' bathroom「女子トイレに男の子がいる」を読んだ。
すごいタイトルだが、ちびっこ向けの本なのでOK。英語もとても簡単で、速攻で読める。表紙の絵面も素敵。
クラスの嫌われ者で全くどうしようもない最低の少年ブラッドリーが、カウンセラーのカーラの助けで友達を作っていくお話だ。
興味深かったのはカーラのやり方で、ブラッドリーの言っていることは明らかに嘘と分かるのに、絶対に否定せず話を聞いていく。
カウンセリングに本当にそういう手法があるのか分からないが、読んでいるうちに、ブラッドリーの無茶苦茶な発言に対して、カーラがどんな反応をするのかと気になってくる。
その結果かどうなのか、ブラッドリーにも転機が訪れ、少しずつ変わっていくのだが、ちょっとうまく行き過ぎとちがうかと思った。
が、それはどうでもいい。印象に残ったのはカーラの言ったこと。
「人がキモいと言われつづけると、とてもひどい事が起こる」
「そのうち本人も『僕ってキモい奴』と思うようになってしまう。そうなったら最後、もう誰にも相手にしてもらえない。」
どうしたらいいか。
「とても難しいけど、まず『僕はキモくない』と思うことだ」
「だって、自分のことをキモいと思ってる奴が、人に好かれるわけないじゃない」
まあ要するに何があっても自分をあまり卑下してはいけないってことで。
なお、キモいという表現をしているところは、原文ではmonsterである。
これをそのまま「モンスター」としてもピンと来ないし、「化け物」とすると「くっ・・・俺の中の化け物が目を覚ま」といったような中二病的サウンドになってしまうので良くない。
どうしようもないのでキモいという言葉をあてた。
実は前後の話があればモンスターでもしっくり来るのだが、そこまで引用するのも大変なので。
また、上記のカーラのセリフも趣意である。